会社のパソコンのセキュリティ対策の方法は?会社と個人がやるべきことを解説!
企業における情報セキュリティの重要性は、年々増しています。特に会社で使用するパソコンのセキュリティ対策は、業務の安全性を確保するための最も基本的な取り組みです。
本記事では、会社のパソコンのセキュリティ対策に関する方法や具体的な取り組みについて解説します。
会社で行うべきセキュリティ対策とは?
企業が行うべきパソコンのセキュリティ対策は、情報漏えいやサイバー攻撃のリスクを低減するために不可欠です。
以下では、会社として導入すべき具体的な対策について説明します。
会社においてセキュリティ対策が重要な理由
- 機密情報の流出を防ぐ
企業には顧客情報や取引データなどの機密情報が多数存在します。これらの情報が流出すると、競争上の優位性を失うだけでなく、顧客との信頼関係も失われてしまいます。 - 金銭的被害を抑える
サイバー攻撃による情報漏えいが発生すると、企業は多額の罰金や訴訟費用を支払うことになる可能性があります。また、データの復旧やシステムの修復にはコストがかかります。 - 社会的信頼の失墜を防ぐ
情報漏えいが報道されると、企業の社会的信頼が大きく損なわれます。信用の失墜は、長期的な売上減少や取引停止など、深刻な影響をもたらします。
パソコンが受ける可能性のある脅威
- マルウェア感染
ウイルスやスパイウェア、ランサムウェアなどのマルウェアは、企業のシステムに侵入し、データの盗難や破壊を行います。 - フィッシング被害
悪意のあるメールやWebサイトを通じて、従業員のログイン情報や個人情報を盗み出そうとする攻撃です。 - DDoS攻撃
大量のリクエストを送ることで、企業のサーバーやネットワークをダウンさせる攻撃です。これにより、サービスの停止や業務の中断が発生します。 - 不正アクセスによるデータの改ざん
外部からの不正なアクセスにより、重要なデータが改ざんされることがあります。データの信頼性が損なわれ、業務に支障をきたす可能性があります。 - 情報の紛失
従業員が誤って重要なデータを削除したり、外部デバイスに保存された情報が紛失したりするリスクがあります。
パソコンのセキュリティ対策【会社編】
企業が行うべきパソコンのセキュリティ対策は以下の通りです。
- ID・パスワードの管理を徹底する
全ての従業員に対して、強力なパスワードを設定するよう指導し、定期的な変更を義務付けます。さらに、二要素認証(2FA)の導入も推奨されます。 - アクセス制限の設定をする
業務上必要な範囲に限定してアクセス権を設定します。不要な権限を持たせることで、内部不正や情報漏えいのリスクが増大します。 - セキュリティ対策ソフトを導入する
最新のウイルス対策ソフトを導入し、リアルタイムでの監視と定期的なスキャンを行います。これにより、ウイルスやマルウェアの感染を防ぎます。 - ソフトウェアを常に最新の状態にしておく
オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアは、常に最新のセキュリティパッチが適用された状態に保つ必要があります。 - 従業員に対するセキュリティ教育を実施する
全ての従業員に対して、セキュリティリスクに対する認識を高めるための教育を定期的に行います。特に、フィッシングメールやマルウェアの脅威に対する対応策を教えることが重要です。
パソコンのセキュリティ対策【従業員編】
従業員一人ひとりがセキュリティ意識を持ち、自身の行動を見直すことも重要です。以下は、従業員が行うべき基本的な対策です。
- パスワードを強化する
強力なパスワードを作成し、他のアカウントで使いまわさないことが大切です。定期的なパスワードの更新も忘れずに行いましょう。 - 許可されていないデバイスを業務に使用しない
個人のデバイスを業務で使用することは、情報漏えいやマルウェア感染のリスクを高めるため、避けるべきです。 - 許可されていないソフトウェアをダウンロードしない
セキュリティ管理が施されていないソフトウェアをインストールすると、システムに脆弱性を作り出す可能性があります。 - 不審なメール・添付ファイルは開かない
不審なメールや添付ファイルを開くことで、マルウェア感染のリスクが高まります。疑わしい場合は、開く前にIT部門に確認しましょう。 - Webサイトの閲覧時には注意する
業務に関係のないWebサイトの閲覧は控え、特に不審なリンクをクリックしないよう注意します。 - 個人情報をデバイスに保存しない
業務用パソコンに個人の情報を保存することは避け、必要な場合は暗号化を行うなど、適切な保護措置を取るようにします。
従業員が知っておくべきインシデント対応ルール
企業がセキュリティインシデントに遭遇した場合、迅速かつ的確な対応が求められます。そのためには、従業員一人ひとりが適切なインシデント対応ルールを理解し、実行することが重要です。例えば、以下のようなルールを策定することをおすすめします。
1. 不審なメールの報告方法
従業員は不審なメールを受け取った際、まずはそのメールを開かずにIT部門や担当者に報告するようにしましょう。不審なメールとは以下のようなものです。
・件名が不自然
・差出人のアドレスが不明
・不自然な添付ファイルやリンクが含まれている
これらのメールを安易に開くと、マルウェア感染や情報漏洩のリスクが高まります。社内での報告体制を明確にし、従業員がすぐに行動できるようにすることで、迅速な対応が可能になります。
2. デバイスの隔離手順
もしも使用しているパソコンやデバイスがウイルス感染や不正アクセスの兆候を示した場合、そのデバイスをネットワークから速やかに切り離すことが重要です。
不正アクセスの兆候は以下などが当てはまります。
・パソコンやサーバーが突然遅くなる
・パソコンが頻繁にクラッシュする
・通常の作業中に不審なポップアップ広告が頻繁に表示される
・通常では考えられない量のデータが送受信されている
・パスワードが突然変更されたり、ログイン履歴に覚えのないアクセスが記録されている
また、社内では、デバイスの隔離手順をマニュアル化し、全従業員が知識として持っていることが求められます。たとえば、「Wi-Fiをオフにする」「LANケーブルを抜く」など、基本的な操作を簡潔にまとめておくと効果的です。
3. 事故後の記録と報告
インシデントが発生した場合、関連する情報や状況を正確に記録することが重要です。これは、後の調査や再発防止策を策定するために必要です。従業員は、何が起きたのか、いつ起きたのか、誰が関与しているのかなどの情報を、事実に基づいて報告する必要があります。
以下は記録フォーマットの例です。
1.基本情報 報告者名: [名前] 部署名: [部署] 連絡先: [メールアドレス/電話番号] 報告日: [YYYY/MM/DD] インシデント発生日時: [YYYY/MM/DD 時間] 2. インシデントの概要 インシデントの種類:ウイルス感染不正アクセスデータ流出システム障害その他(具体的に記入) 発生場所: [発生した場所、システム、ネットワーク、サーバーなどの特定] 影響範囲: [影響を受けたシステム、データ、ユーザーなど] 3. インシデントの詳細 状況の説明:発生のきっかけや原因、異常の兆候(例:システムの動作が遅くなる、不正な通信、警告メッセージの表示など) 発生時の行動:取られた初期対応(例:システムの隔離、アクセスの遮断、社内への通知など) 4. 被害の内容 データの影響: [例:顧客データ、社員データ、内部機密データ] システムへの影響: [システムのダウンタイム、影響を受けたアプリケーションなど] 金銭的被害: [直接的な金銭被害の有無、予想される被害額など] 5. 対応状況と次のステップ 現在の対応状況:[例:システムの復旧作業中、外部セキュリティ会社に調査依頼中など] 次の対応ステップ:[例:さらなる調査、全社パスワードリセット、セキュリティ教育の強化など] 6. 関係者 関係者リスト:[例:担当者名、役職、連絡先] 外部協力者: [例:セキュリティベンダー名、連絡先] 7. 追加情報 ログファイルの添付: [ ] はい [ ] いいえ スクリーンショットの添付: [ ] はい [ ] いいえ その他の添付資料: [説明] 8. インシデント評価 インシデントの重大度:低中高クリティカル 再発防止策の提案:[具体的な再発防止策の提案] 9. 承認と提出 承認者名: [名前] 承認日: [YYYY/MM/DD] 提出先: [提出先の部署/担当者] |
社内ルールとして明文化するメリット
インシデント対応ルールを社内ルールとして明文化することにより、全従業員が統一された基準で行動することが可能になります。これにより、インシデント発生時の混乱を防ぎ、迅速かつ適切な対応が可能となります。
セキュリティ意識を高める社内研修プログラムの設計も重要
企業のセキュリティ対策を強化するためには、従業員のセキュリティ意識を高めることが不可欠です。そのためには、定期的な社内研修プログラムを設計し、実施することが有効です。
セキュリティ研修は、少なくとも年2回、もしくは四半期ごとに実施するのが理想です。
基本的なセキュリティ知識(例:パスワードの管理方法、フィッシングメールの見分け方など)から最新の脅威情報(例:新種のマルウェアやサイバー攻撃の手口)まで幅広い内容を取り扱いましょう。
また、オンライン研修だけではなく、従業員の評価基準にセキュリティ意識を組み込むことも重要です。
最新のセキュリティトレンドと企業が考慮すべき点
最近のセキュリティトレンドには、AI(人工知能)の技術を利用したサイバー攻撃の検出方法や防止技術が急速に進化しています。AIの進歩により、従来の手法では捉えきれなかった高度なサイバー攻撃に対しても迅速に対応することが可能になりました。
企業は、自社の規模やセキュリティリスクを評価し、適切なAIソリューションを選定する必要があります。
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