【わかりやすく解説】マルウェアとは?種類や感染経路について解説!
近年、マルウェアによるサイバー攻撃がますます巧妙化しています。マルウェアの種類や感染経路を理解し、適切な対策を取ることが重要です。
本記事では、マルウェアの基本的な知識から、その種類、感染経路、対策方法まで、わかりやすく解説します。
マルウェアとは?
マルウェアとは、「Malicious Software」の略で、コンピューターやスマートフォンに被害を与える悪意のあるソフトウェアの総称です。ウイルス、ワーム、トロイの木馬など、多くの種類があります。これらのマルウェアは、ユーザーの個人情報を盗んだり、データを破壊したり、コンピューターの動作を停止させたりすることを目的としています。
マルウェアは、インターネット上での不正行為を行うために開発され、私たちのデバイスに侵入することで被害を引き起こします。感染すると、プライバシーの侵害や経済的損失、システムの損壊など、さまざまな被害が発生する可能性があります。
マルウェアの種類
マルウェアにはさまざまな種類があり、それぞれが異なる目的や手段を持っています。ここでは代表的な種類について詳しく解説します。
ウイルス | 他のプログラムやファイルに感染し、拡散するタイプ。 |
ランサムウェア | 感染したデバイス内のデータを暗号化し、解除するために身代金(ランサム)を要求するタイプ。 |
ワーム | 自己増殖するタイプ。ウィルスとは異なり、単独で活動できることから「ワーム(虫)」と呼ばれる。 |
トロイの木馬 | 合法的なソフトウェアやプログラムに偽装してコンピューターに侵入するタイプ。 |
スパイウェア | ユーザーの情報を密かに収集し、外部に送信するタイプ。 |
バックドア | 攻撃者がコンピューターに不正アクセスするために設けた隠し通路タイプ。 |
スケアウェア | 偽のウイルス警告など、ユーザーを脅して行動を促すタイプ。 |
1. ウイルス
ウイルスは、他のプログラムやファイルに感染し、拡散するタイプのマルウェアです。感染したプログラムを実行することでウイルスが動作し、さらに他のファイルに感染します。データの破壊や改ざん、情報の漏洩を引き起こすことが多いです。
2. ランサムウェア
ランサムウェアは、感染したデバイス内のデータを暗号化し、解除するために身代金(ランサム)を要求するマルウェアです。身代金を支払ってもデータが完全に復元される保証はなく、近年急増しているマルウェアの一種です。
3. ワーム
ワームは、自己増殖するマルウェアで、ネットワークを介して自動的に拡散します。他のファイルやプログラムに寄生せずに活動できるため、感染スピードが非常に速いです。感染したネットワーク全体に被害を与えることが多く、ネットワーク資源を消費してシステムを停止させることがあります。
4. トロイの木馬
トロイの木馬は、合法的なソフトウェアやプログラムに偽装してコンピューターに侵入するマルウェアです。ユーザーが無意識のうちにインストールすると、バックグラウンドで不正な活動を行います。パスワードやクレジットカード情報の盗難などが目的とされます。
5. スパイウェア
スパイウェアは、ユーザーの情報を密かに収集し、外部に送信するマルウェアです。ウェブサイトの閲覧履歴、入力した文字(キーロガー)、ファイルの内容などを監視して、攻撃者に提供します。個人情報の盗難やプライバシーの侵害に直結します。
6. バックドア
バックドアは、攻撃者がコンピューターに不正アクセスするために設けた隠し通路です。システムに侵入後、通常のセキュリティチェックを回避して秘密裏にアクセスするために使われます。攻撃者がリモートでコンピューターを操作し、情報を盗んだり、他のマルウェアをインストールしたりすることができます。
7. スケアウェア
スケアウェアは、ユーザーを脅して行動を促すマルウェアです。偽のウイルス警告やポップアップを表示して、不要なソフトウェアを購入させたり、個人情報を入力させたりすることが目的です。
マルウェアの目的
マルウェアの主な目的は次の通りです。
個人情報の盗難
パスワード、クレジットカード情報、銀行口座情報などを盗みます。これらが盗まれた場合、財産を失うリスクがあります。
データの破壊または改ざん
ファイルやデータを破壊し、システムの正常な動作を妨げます。この場合、企業にとっての資産である情報などがなくなってしまったり、企業の健全な経営ができなくなってしまったりします。
経済的利益の追求
ランサムウェアによる身代金の要求など、金銭を目的とする場合もあります。ランサムウェアを制作しているハッカー集団は、身代金を要求することで生計を立てています。
このため、お金を要求して自分たちの利益にしようとしているのです。
スパムの送信
感染したコンピューターを利用して、スパムメールを大量に送信することが目的のケースもあります。悪質なサイトに誘導したり、そこから多額のお金を請求されるケースがあります。
リモートアクセスの確保
攻撃者がリモートからシステムにアクセスし、不正な活動を行うための道を確保するケースもあります。
企業のもつ大事なパソコンから遠隔操作がされてしまうと、大事な情報を簡単に抜き取られてしまうことなどもあります。
マルウェアの感染経路
マルウェアはさまざまな経路を通じてコンピューターやスマートフォンに感染します。以下は主な感染経路です。
1. Webサイトの閲覧
危険なWebサイトや信頼性の低いサイトを訪問すると、マルウェアが自動的にダウンロードされることがあります。特に、無料のダウンロードサイトや違法コンテンツを提供するサイトはリスクが高いので、気を付けましょう。
会社のパソコンではアクセスさせないようにするなどの対応が必須です。
2. メールやメッセージの閲覧
不審なメールの添付ファイルやリンクをクリックすることで、マルウェアがデバイスにインストールされることがあります。フィッシングメールなどが代表的です。
3. ソフトウェアやアプリのインストール
信頼できないソフトウェアやアプリをインストールすることで、マルウェアが侵入することがあります。特に公式ストア以外からのインストールには注意が必要です。
4. USBメモリからの感染
感染したUSBメモリをデバイスに接続すると、マルウェアが自動的に広がることがあります。共有機器の利用には注意が必要です。
マルウェアに感染しないための対策
マルウェアから身を守るための基本的な対策を以下にまとめました。
1. ウイルス対策ソフトを導入する
信頼性の高いウイルス対策ソフトをインストールし、常に最新の状態に保つことが重要です。リアルタイムでのスキャン機能を有効にすることで、感染リスクを低減できます。
2. ファイアウォールを導入する
ファイアウォールを設定して、外部からの不正アクセスを防ぐことが有効です。インターネット接続時のセキュリティを強化します。
3. OSを常に最新の状態にしておく
定期的にOSやソフトウェアをアップデートし、最新のセキュリティパッチを適用することが大切です。これにより、既知の脆弱性を狙った攻撃から保護できます。
4. 不審なメール・添付ファイルは開かない
差出人が不明なメールや、怪しいリンク、添付ファイルは絶対に開かないようにしましょう。フィッシング攻撃やマルウェアの感染を防止するための基本的な対策です。
企業では、積極的にセキュリティ研修を実施しましょう。
マルウェアに関するよくある質問
マルウェアとランサムウェアの違いは?
ランサムウェアとはマルウェアの一種です。 マルウェアの中でも、身代金を要求するタイプをランサムウェアとして区別します。
ランサムウェアによる事件は明るみに出ていないケースも多く、企業側も隠しているケースが多いため、実は身近なところで起こっていますので、注意しましょう。
スマホからマルウェアを削除するには?
パソコンだけではなく、スマホでマルウェアに感染するリスクもあります。社内スマホがマルウェアに感染するリスクもあるでしょう。
スマホのウイルス感染が疑われる症状は以下の通りです。
- データの使用量が増加する(大容量ファイルのダウンロードや動画視聴などをしていないのに、心当たりがないところで、なぜかデータの使用量が多い)
- カメラが勝手に起動してしまう
- 急に広告がポップアップで表示される
- アプリが頻繁に落ちる
iPhoneに搭載されるiOSはセキュリティポリシーがかなり厳格のため、正直なところ、あまりマルウェアの感染は起こりません。一方で、Androidのほうが起こるリスクは高くなっています。
最悪の場合、端末を初期化しなければ直すことができず、大事な情報が漏洩するリスクもあるので、しっかりとしたチェックが必要です。
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