UTMは義務化されていない!総務省のポリシーと罰則になるケースを解説

会社のセキュリティ対策として「UTM」という言葉をよく聞くようになりました。
「UTMを入れないとダメなの?」「UTMって法律で決められているの?」と聞かれることも多くあります。
実は法律でUTM導入が直接義務付けられているわけではありません。
そこで、今回はUTMが義務化されているのかどうか、気になる疑問を解決します。
- UTM導入の義務化や法律的な側面について正確に理解したい方
- 会社のセキュリティ対策を検討中の経営者や担当者
- 個人情報保護法の改正ポイントや罰則を詳しく知りたい方

UTMは義務化されている?
「UTMは義務化されている」という情報が一人歩きしていますが、UTMは全く義務化されていません。
「UTMが義務化されているので導入しましょう」と提案してくる営業会社があった場合には、それは営業トークにすぎないので注意が必要です。
義務化されているのは、情報漏洩の報告
2022年4月に「改正個人情報保護法」として施行された法律によると、情報漏洩があった場合には、必ず報告しなくてはならなくなっており、これが、義務化されています。
例えば、氏名、性別、生年月日、住所といった個人情報が、サイバー攻撃などによって流出した場合、必ず報告をしなくてはなりません。
「改正個人情報保護法」では以下のように書かれています。
「漏洩等が発生し、個人の権益利益を害するおそれが大きい場合に、個人情報保護委員会への報告及び本人への通知を義務化する」 |
これこそが、完全義務化されていると言えるでしょう。
ちなみに、報告先は二種あり、「個人情報保護委員会」と「本人」です。
なぜ義務化されたのか?
東京商工リサーチによると、2024年上場企業の「個人情報漏えい・紛失」事故は、過去最多の189件、漏えい情報は1,586万人分と発表されています。(2025年1月25日時点)
2024年は事故件数、社数ともに最多を更新しており、情報漏洩がかなり身近で起きていることがわかります。
出典:東京商工リサーチ調べ
東京商工リサーチによると、前年に引き続きランサムウェアなどの不正アクセス被害が多かったが、業務委託先が被害を受け、顧客情報の流出が発覚したケースなどもあったとのことで、
自社や取引先の情報の取り扱いには十分に気をつけなくてはならないということがわかります。
他にも知っておきたい!個人情報保護法の新ルール
他にも、2022年4月に個人情報保護法が変わったことで、会社が気を付けることが増えました。
中小企業の経営者や担当者こそ知っておかなくてはなりませんが、以下が主なポイントです。
🔑 個人情報保護法の改正後の主なポイント
- お客様の大切な情報が漏れたら、すぐに報告が必要になった
- 海外にデータを送る時のルールが厳しくなった
- お客様から「データを消して」と言われた場合に対応する必要がある
個人情報が漏洩した場合の罰則は?
個人情報漏洩の定義
以下に当てはまる情報が漏洩した場合には、個人情報漏洩となります。
- 重要な個人情報が漏れた時
- お客様が金銭的な被害を受けそうな時
- 1,000人分以上の情報が漏れた時
- ハッカーによる攻撃を受けた時
個人情報漏洩時の報告の期限
報告は二回する必要があります。「速報」と「確報」の2段階で行う必要があるのです。
- 最初の報告:気付いてから3日以内
- 詳しい報告:2ヶ月以内
最初の報告は、報告をしようとする時点において把握している範囲で構わないので、少しでも早く事態を共有する目的において実施されます。
罰則
個人情報の漏洩の報告を怠った罰則は非常に大きなものになります。
最大1億円の罰金が科せられる可能性があり、さらに、社名も公表されてしまうリスクがあります。
UTMの導入は個人情報の漏洩対策に効果的?
UTMの導入は個人情報の漏洩対策として効果的です。以下が具体的な内容です。
不正アクセスの防止
外部からの侵入試行を検知・ブロックできるのがUTMの仕組みです。
社内の重要情報への不正アクセスを防止することができます。
外部から誰かが会社のシステムに侵入しようとしても、UTMが「待った!」をかけてくれるということです。
例えるなら、会社の入り口に立つ優秀な警備員さんのような存在です。
マルウェア対策
最近非常に多くの会社を攻撃しているマルウェアですが、こちらもUTMで防ぐことができます。
ウイルスや不正プログラムの侵入を防止したり、情報窃取型マルウェアの活動をしっかり見つけてブロックすることが可能です。
UTMは会社のパソコンをウイルスから守ってくれる、デジタルのお医者さんのような役割も果たします。
通信の監視と制御
不審な通信パターンの検知などもUTMは得意としています。
重要情報の外部への不正な送信などもブロックできるのです。
例えば、普段と違う形で社外に情報が送られそうになった時、「これって大丈夫?」とチェックしてくれるなども可能です。
ただし、UTMだけでは不十分?
ただし、UTMだけでは不十分です。
UTMは強い味方ですが、それだけでは完璧とは言えません。
例えば、社員教育も必要です。
アクセス権限の適切な管理や、データバックアップの実施、セキュリティポリシーの策定と運用をしましょう。
特に気を付けたいポイントとして、もし情報が外部に漏れてしまった場合、隠さずに報告することがとても重要です。
個人情報が漏洩することは問題ですが、それを隠ぺいすると多額の罰則が発生します。
このため、しっかりと情報ポリシーを定めましょう。
お金をかけすぎないUTM導入やセキュリティ対策のコツは?
月額で使えるサービスを選ぶ
初期費用を抑えながらセキュリティ対策を実施するなら、月額型のUTMサービスがおすすめです。
クラウド型UTMサービスなら、サーバーの購入や保守の手間も不要ですし、社員数に応じて柔軟にプランを変更できるため、会社の成長に合わせた対応が可能です。
また、常に最新のセキュリティ対策が自動で適用されるため、運用の手間も最小限に抑えられます。
中小企業向けのサービスでは、月額数千円から利用できるプランも提供されています。
できることから少しずつ始める
すべての対策を一度に実施する必要はありません。まずは以下のような基本的な対策から始めましょう。
- ウイルス対策ソフトの導入
- 定期的なソフトウェアアップデート
- 強固なパスワード設定
- 重要データのバックアップ
基本対策の運用が安定してから、UTMの導入や社員教育など、より高度な対策へと段階的にステップアップしていくことで、無理のない形で対策を進められます。
専門家に相談してムダを省く
セキュリティ対策は専門知識が必要な分野です。
どんな対策が自社に必要か、予算に応じてどのような製品やサービスを選べばよいか、専門家に相談することで効率的な導入が可能になります。
例えば、株式会社ITDでは、中小企業のセキュリティ対策のサポートを得意としています。
毎月多くの企業様に最適なUTMを提案しています。
UTMの義務化や導入においてのよくある質問
UTMって高い?
月額サービスなら、社員1人あたり数百円からありますので、必ずしも高いものではありません。
しかし、安いものでは効果不十分なケースもあるため、自社だけの判断ではなく、専門家に相談しましょう。
小さい会社や中小企業でも必要?
規模に関係なく、基本的な対策として推奨されています。
特に、サイバー攻撃や中小企業こそ狙われやすいです。
どこから始めれば良い?
まずは無料のセキュリティ診断を受けるところから始めましょう。
株式会社ITDであれば、貴社のセキュリティ対策状況をお伺いし、最適な案をご提案します。
問題が起こってからでは遅いですが、もし問題が起こってからでもご相談いただければお力になることができます。
全くセキュリティのことがわからない方でもゼロから丁寧にサポートしますので、ぜひお気軽にお申し付けください。
まとめ
UTMの導入は法律で義務付けられておらず、営業トークに惑わされない注意が必要です。
一方で、2022年施行の「改正個人情報保護法」により、情報漏洩時の迅速な報告が義務化されています。
UTMは不正アクセスやマルウェア対策、通信監視など、企業のセキュリティ強化に役立つ重要なツールですが、導入だけでは不十分で、社員教育や情報管理ポリシーも必要です。
月額型サービスの活用や段階的な対策でコストを抑えつつ、専門家に相談して最適なセキュリティ対策を講じることが重要です。
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