【2026年版】サポート詐欺の手口と感染経路|ネットワークから防ぐ原因と対処法

警察庁やIPA(情報処理推進機構)への相談件数が増加しているサポート詐欺。

「自分は大丈夫」と思っていても、ある日突然、画面いっぱいに「ウイルス感染」の文字と警告音を前にすれば、誰もが冷静ではなくなってしまうでしょう。

もし万が一、サポート詐欺に合ってしまうと、社内の機密情報は丸裸になり、数百万円から数千万円規模の被害を招く可能性があります。

また、企業から個人情報が流失したとなると、社会的信用の低下にも繋がり、大きな問題にも発展します。

本記事では、現在増加しているサポート詐欺の手口と、被害を未然に防ぐための対策について詳しく解説します。

この記事を読むのがおすすめな人
  • いま最も警戒すべきサポート詐欺について知りたい方
  • 自分の会社は本当に大丈夫か?、ITリテラシーに不安を感じている方
  • システムで詐欺を防ぐ具体的な方法を知りたい方
目次

サポート詐欺とは

サポート詐欺とは、ウイルスに感染しましたといった偽の警告画面を表示させ、偽のサポート窓口に誘導し金銭を騙し取る手口です。

実際の偽警告画面

出典IPA│サポート詐欺の偽セキュリティ警告はどんなときに出るのか?​(2024年2月27日)


サポート詐欺による被害数の推移

出典:IPA「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況」

サポート詐欺の被害は増加傾向にあり、被害額も上昇しています。

以前は数万円程度の被害が主流でしたが、2024年以降はネットバンキングを直接操作させ、数百万から数千万円単位での送金を促す被害が急増しています。

また、トレンドマイクロ社の調査によれば、詐欺サイトへのアクセスの約9%が法人組織からだというデータもあります。

[図解のポイント]

  • 2022年以降、相談件数は右肩上がり。
  • 2025年時点でも相談全体の3割以上がこの手口。
  • 被害額は数万円から1,000万円規模へ深刻化。

サポート詐欺の手口

サポート詐欺の最大の特徴は、画面のPOPで心理的不安をあおってくる点です。

① 偽のセキュリティ警告を出す

IPA「偽セキュリティ警告画面の閉じ方体験サイト」より

ブラウザでニュースサイトなどを閲覧している最中、突如として全画面にウイルス感染の警告が表示されます。

MicrosoftやAppleのロゴを模した精巧なデザインで、画面を閉じようとしても消えないフルスクリーン固定によってあたかもシステム全体がロックされたかのように錯覚させます。

2026年の最新手口では、ブラウザの全画面表示機能を悪用して「×ボタン」を隠したり、本物のWindowsアップデート画面を模倣したりと、偽物と見破るのが困難なほど精巧になっています。

② 警告音による演出

警告画面の表示と同時に、画面から「ピー」という不快な音や、直ちに記載の番号へ電話してくださいという合成音声が流れます。

オフィスで鳴り響くと、周囲の目を気にさせ、早く音を止めなければという焦りを生みます。

このパニック状態こそが、冷静な判断を奪うために仕掛ける最大の罠です。

③ 偽の相談窓口へ電話させる

画面に表示されたサポートセンターへ電話をかけさせます。

エンジニアスタイル

※WindowsやMacの正規エラーメッセージに、電話番号が記載されることはありません。

電話をかけた瞬間に、巧妙な話術を訓練された詐欺師との接触が始まってしまいます。

④ 遠隔操作と送金指示

ウイルスを駆除するという名目で、遠隔操作ソフトをインストールさせます。

一度ダウンロードをして、登録を進めてしまうと、詐欺師はPC内のファイルを自由に閲覧・取得できる状態になります。

最終的にはサポート費用としてネットバンキングでの不正送金を強要し、被害に合うという流れになります。

※近年は、ユーザーが画面上で操作している裏で、詐欺師がさらに高額な送金を同時に実行する手口も確認されています。


【2026年最新】サポート詐欺の被害事例

ここでは、実際に起きている事例を参考に、サポート詐欺による被害の大きさを見ていきましょう。

海外での大規模摘発

警察庁とインド中央捜査局の共同捜査により、日本人を標的にしていたインド国内の詐欺拠点が摘発されました。被害総額は、約1億8,000万円以上でした。

犯罪組織の狙いは、偽の警告から誘導した電話を入り口に、遠隔操作ソフトを介してネットバンキングから不正送金を行うことにあります。

特に、国際的な犯罪組織が日本の中小企業を標的に定めている実態が明らかになっており、早急な対策と警戒が必要です。

参考:警察庁「サポート詐欺対策」特設ページ

国内中小企業の被害

ウイルスを駆除するという電話口の言葉を信じ、遠隔操作ソフトをインストール。犯人が画面を操作している裏で、不正に流出された情報から、ネットバンキングに送金され50万円の損害が起きました。

国内の建設業者において、ITの担当者が外出中に別の担当者が偽警告に遭遇した例です。

こちらの事例では、金銭的な被害だけでなく、PC内の顧客名簿や機密情報が閲覧された可能性があったため、全ての取引先への報告と、専門業者による漏洩調査に多額のコストが発生しました。

参考:当社におけるサポート詐欺の不正アクセスに伴う情報漏えいのおそれがある事案の発生について

サポート詐欺に遭った時の対処法

多くの企業が「怪しいサイトは見ないように」と教育していますが、現代の詐欺広告は大手ニュースサイトや正規の広告枠に紛れ込んでいます。

ここでは、もしサポート詐欺にかかる広告を開いてしまった場合の対処法についてご紹介します。

スピーカーをミュートにする

パニックを誘うための警告音を消すことで、冷静な判断ができるようになります。

まずは音を止めて落ち着きましょう。

LANケーブルを抜く・Wi-Fiをオフにする

外部との通信を断つことで、遠隔操作やデータの流出を物理的に防ぎます。

ブラウザを閉じる前に、まずはネット接続を切断しましょう。

ブラウザを強制終了する

「Esc」キーを長押しして全画面表示を解除するか、「Ctrl+Alt+Del」キーを同時に押してタスクマネージャーを起動し、使用中のブラウザを選択してタスクを終了しましょう。

PC本体を強制終了する

上記の方法で画面が消えない場合は、PCの電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンしてください。

一時的なフリーズであれば、再起動することで元の状態に戻ります。

万が一遠隔操作を許してしまった場合の処置

もし指示に従ってソフトウェアをインストールしたり、相手に操作を許可してしまったりした場合は、以下の対応を直ちに行ってください。

  1. 直ちにLANケーブルを抜く、またはWi-Fiをオフにして、通信を完全に遮断します。
  2. 不正送金を防ぐため、銀行やカード会社に連絡し、クレジットカードなどの使用停止手続きを行いましょう。
  3. 遠隔操作ソフトやウイルスが仕込まれている可能性が高いため、PCの初期化を行いましょう。

サポート詐欺の被害を最小限に抑える方法

ここでは、サポート詐欺の被害を最小限に抑えるための3つの対策について、ご紹介します。

1. UTMで自動遮断を行う

セキュリティ対策を強化する上で、まず検討すべきなのがUTMの設置です。

UTMとは、ファイアウォール、アンチウイルス、URLフィルタリングなど、複数のセキュリティ機能を一つの機器に集約したシステムです。

パソコン一台ごとにソフトを入れる対策とは異なり、オフィスのネットワークの入り口で通信を網羅的に監視します。

UTMは、悪意あるドメインのリストを保持しています。

ユーザーが詐欺サイトのリンクをクリックしても、画面が表示される前にUTMがリストと照合し、アクセスを自動的に遮断します。

UTMを導入することで、偽警告を目にする機会を低減することができるのです。

2. ブラウザ管理の標準化

サポート詐欺の多くはブラウザを介して攻撃してきます。

そのため、各端末のブラウザ設定を管理者が一括制御し、セキュリティレベルを統一することが解決策です。

具体的には、悪質なポップアップ通知の許可を制限したり、怪しい拡張機能のインストールを禁止したりする設定を共有します。

個人の設定ミスやセキュリティ意識の差をシステム側で埋めることで、うっかりによる被害を防ぎ、組織全体の防御力を底上げします。

また、ブラウザを常に最新バージョンに保つように強制することも、有効な対策となります。

3.ゲスト用Wi-Fiの分離

業務用Wi-Fiと、来客用や個人スマホ用のWi-Fiを分離することも非常に重要です。

たとえ、ネットワーク内でサポート詐欺をきっかけとしたウィルス感染などが発生しても、被害が社内の基幹システムや機密データへ波及するのを防ぐことができます。

ネットワークを業務と外部用で切り離しておくことで、経営への致命的なダメージや、取引先を巻き込んだ二次被害を回避することができます。

まとめ

2026年現在、サポート詐欺の手口は非常に巧妙化しています。

社内で注意しましょうという個人の意識だけで防ぐのは限界に来ています。

これからのセキュリティ対策は、人的ミスが起きる前提で、物理的な多重防御を築くことが不可欠です。

人間は、偽の警告画面や大音量のアラートに直面すると、どうしても冷静な判断を失ってしまうものです。

だからこそ、サポート詐欺対策は、物理的な防衛機器を取り入れて、詐欺が入り込めない仕組みを構築することが重要です。

  • UTMで入り口を自動で断つ
  • ネットワークを分離する
  • ブラウザ管理の標準化

電話をかけないでくださいといった注意喚起にとどまらず、焦る場面を作らせないシステムを構築していきましょう。

「もし従業員が詐欺画面を開いてしまったら…」「今のネットワーク環境で本当に防げるのか不安」そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ株式会社ITDへご相談ください。サポート詐欺を防ぐために、個人の注意に頼らないUTMや業務用Wi-Fiでの安全なネットワーク分離まで。専門スタッフが貴社の設備環境を丁寧にヒアリングし、最適なプランをご提案いたします。

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