セキュリティ対策にUTMは必要ない?デメリットや月額料金の相場を解説

「ウチのような小さな会社に、大げさなセキュリティ機器なんて必要ない」

「ウイルスソフトを入れているから大丈夫」

そのように考えて、UTM(統合脅威管理)の導入を見送っていませんか?

実は今、サイバー攻撃の標的は、セキュリティ対策が手薄な中小企業へとシフトしています。

【参考データ】警察庁のデータによると、ランサムウェア被害の報告件数のうち、約半数が中小企業を占めています。もはや「大企業だけの問題」ではないのです。

出典:警察庁「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」

もし、「UTMは必要ない」という判断があるとしたら、あなたの会社は明日にもランサムウェアの被害に遭い、数千万円の損害を被るかもしれません。

本記事では、なぜ「UTMは必要ない」という説があるのか、その真偽を検証しつつ、導入のメリット・デメリット、主要メーカーの特徴、そして気になる費用の相場までを網羅的に解説します。

企業の「デジタルな鍵」であるUTMについて、正しい知識を身につけましょう。

この記事を読むのがおすすめな人
  • 「ウイルスソフトだけ」で本当に安全か不安な経営者・担当者
  • UTMのメリットだけでなく、デメリットを知りたい方
  • 自社の規模に合ったUTMの選び方を把握したい方
目次

セキュリティ対策にUTMは必要ない?と言われる理由

インターネットで検索すると、「UTM 必要ない」「UTM 意味ない」といったキーワードを目にすることがあります。

しかし、これらは多くの場合、「個人利用」や「ITリテラシーが高いエンジニア」に限った話です。

一般的な中小企業にとって、UTMは「必須」と言っても過言ではありません。

ここでは、なぜUTMは中小企業に特に必要と言えるのか、その理由をメリットと共に解説します。

運用コストを大幅に削減できる

「UTMは不要」という意見の一つに、「セキュリティ対策は、個別のソフトを導入すればいい」というものがあります。

確かに理論上は、個別導入も可能ですが、ウィルスごとに様々な機器を契約しバラバラに管理を行うのは、莫大なコストと手間がかかります。

  • ファイアウォール
  • アンチウイルス(ゲートウェイ型)
  • アンチスパム
  • Webフィルタリング
  • IPS/IDS(不正侵入検知・防御)

UTMは、上記機能を「一台に統合」した機器です。

これらを比較すれば、UTM一台で済ませる方が圧倒的に安価であり、管理も簡単になります。

2重チェックでウィルスを防げる

近年、猛威を振るっている「Emotet(エモテット)」や「ランサムウェア」などのウィルスは、PCにインストールされたウイルス対策ソフトだけでは防ぎきれないケースが増えています。

事例紹介:近畿地方の食品製造会社(被害額約1,800万円)

自社従業員を名乗った不審なメールが取引先に送られたことで、自社端末がEmotet(エモテット)に感染していることが発覚しました。

この感染の原因は、同僚を装ったメールが従業員に届いたことです。送り主が同僚の名前であったため、従業員は警戒せずに添付されたファイルを開いてしまったと考えられます。

この事態に対処するため、ネットショップでの販売を一時休止し、PCの初期化や入れ替え、そして18,000人にQUOカードを配布するなどの対策が実施されました。その結果、約1,800万円の損害が発生したと報告されています。

参考:インシデント損害額調査レポート 第2版 P.33 

何故感染したのか

ウイルスソフトは、過去のウイルスデータを元にウィルスを防いでいます。しかし、今回のウイルスは「新種」だったため、ソフトが「ウィルス」だと気づけずにスルーしてしまったのです。一度PCの中に入り込まれると、ウイルスソフトでは対処が間に合わず、アドレス帳の情報を盗んで勝手に拡散してしまいます。

ここで重要になるのが、「PCの中」と「入口」の2重チェックするという考え方です。

例えば、玄関に鍵をかけずに(UTMなしで)、部屋の金庫だけ守ろうとする(PCソフトのみ)のがいかに危険かは想像に難くありませんよね。

UTMは、会社とインターネットの境界線(出入り口)に設置され、怪しい通信をその場でブロックする役割を持ちます。

これをマンションの防犯に例えると、非常に分かりやすくなります。

  • PCのウイルスソフト = 「各部屋の鍵」
  • UTM = 「マンション入口のオートロック」

「部屋の鍵(ソフト)」はかけていましたが、「マンションの入口(UTM)」は誰でも入れる状態でした。

そのため、配達員に変装した泥棒(新種のウイルス)が玄関まで来てしまい、ドアを開けた瞬間に侵入されてしまったのです。

UTMという「オートロック」を設置していれば、そもそも泥棒が敷地内に入ってくるのを入り口で食い止めることができます。

この「2重の守り」こそが、現代のセキュリティ対策の基本なのです。

取引先企業からの信頼を確保できる

現代のサイバー攻撃は、セキュリティの甘い中小企業を踏み台にして、その取引先である大企業へ侵入する「サプライチェーン攻撃」が主流です。

IPAが発表している「情報セキュリティ10大脅威 2024」でも、「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃」は組織部門の上位にランクインしています。参考リンク:IPA 情報セキュリティ10大脅威 2024

UTMを導入することは、自社を守るだけでなく、「取引先に迷惑をかけない」という企業の社会的責任(CSR)を果たすことと同義なのです。

【大手企業が求めるセキュリティチェック項目の例】

□ PCにウイルス対策ソフトを導入しているか

□ OSやソフトウェアの更新を適切に行っているか

ファイアウォールやUTM等で外部との通信を監視しているか

□ セキュリティ事故発生時の連絡体制が決まっているか


セキュリティ対策で「UTM導入」のデメリット

メリットの多いUTMですが、導入前に知っておくべきデメリットや注意点も存在します。

これらを理解せずに導入すると、「業務効率が落ちた」「無駄な出費だった」と後悔することになるので注意しましょう。

導入コスト・ランニングコストがかかる

当然ながら、UTMの導入には費用が発生します。

機器本体の購入費用(またはリース料)に加え、セキュリティ定義ファイルを常に最新に保つための「ライセンス更新料(保守費用)」が継続的にかかります。

ウイルスバスターなどのPC用ソフトが数千円で済むのに対し、UTMは数十万円〜百万円単位の投資になるため、経営判断としてコスト対効果を慎重に見極める必要があります。

通信速度が低下する可能性がある

UTMは、インターネット通信全てを検査します。

UTMは、「ウイルスが含まれていないか」「不正なサイトへのアクセスではないか」をリアルタイムでチェックするため、その処理負荷によって通信速度が低下する可能性があります。

特に、従業員数に対してスペック不足の機種を選定してしまうと、「ネットが遅い」「クラウドサービスが固まる」といった業務支障が出やすくなります。

しかし、ウイルスに感染して業務が完全にストップしてしまうリスクと比べれば、多少の速度低下は許容すべき「安全のためのコスト」と言えるでしょう。

運用・設定に専門知識が必要

UTMは「設置すれば終わり」ではありません。

「特定の業務アプリがブロックされてしまった」「リモートワーク用のVPN設定を変更したい」といった場合、UTMの設定画面(管理コンソール)を操作する必要があります。

しかし、その設定にはネットワークやセキュリティに関する専門知識が求められます

社内にIT担当者がいない場合、自力で対応できず業務が止まってしまうリスクがあります。

そのため、導入後の保守サポートや複雑な設定管理をワンストップで任せられる、セキュリティ機器専門会社へ依頼するのが鉄則です。


セキュリティ対策にUTMを導入すべき企業

ここまでUTMのデメリットを見てきましたが、それらの懸念点を踏まえた上でも、以下のような特徴を持つ企業にとっては、UTMは必須の投資と言えます。

セキュリティ部署や担当者のいない中小企業

大企業であれば、セキュリティ責任者にやる常時監視を行えますが、中小企業では「担当がいない」というケースがほとんどでしょう。

UTMは一度設定すれば、自動で定義ファイルを更新し、24時間365日休まず脅威をブロックしてくれます。

専任担当者を雇う人件費を考えれば、UTMは「最も安上がりで優秀なセキュリティ担当者」と言えます。

ITに詳しい人がいない中小企業こそ、自動化されたUTMによる防御が必要なのです。

取引先からの信用を確保したい企業

前述の通り、サプライチェーン攻撃への警戒感から、大手企業が新規取引を開始する条件として「セキュリティチェックシート」の提出を求めることが一般的になっています。

チェックリストには「UTMなどで外部からの侵入を防ぐ対策をしているか」という質問がほぼ確実に含まれます。

もし未導入だと、「セキュリティが甘い会社」と判断され、その時点で取引を断られてしまう可能性があります。

つまり、UTMを導入することは、大手企業と取引するための「最低条件(参加資格)」になりつつあるのです。

限られた予算でサイバー攻撃を対策したい企業

「セキュリティ対策をしたいが、何から手をつければいいか分からないし、予算も限られている」という企業にこそUTMは最適です。

UTMなら一台導入するだけで、オフィス内の全端末(PC、スマホ、タブレット、複合機、IoT機器)をまとめて保護できるため、コストパフォーマンスが非常に高いのが特徴です。

セキュリティ対策用のUTMはどんな種類がある?

市場には数多くのUTM製品が存在しますが、選ぶべきメーカーはある程度絞られます。

ここでは、信頼性が高く、日本のビジネス現場でよく導入されている主要3メーカーを紹介します。

世界シェアNo.1の「FortiGate(フォーティゲート)」

参考:Fortinet サイトより

アメリカに本社を置くフォーティネット社の「FortiGate」は、世界および国内でトップクラスのシェアを誇るUTMの代名詞的存在です。

特徴:独自開発の機能を搭載しており、セキュリティ機能をフルに稼働させても通信速度が落ちにくい「高性能」が最大の魅力です。ラインナップが豊富で、世界中で利用されているため、困った時に調べて出てくる情報も見つけやすいです。

迷ったらFortiGateを選べば間違いありません。

国内メーカーの「サクサ(SS5000/SS7000シリーズ)」や「YAMAHA」

参考:YAMAHA 公式サイトより

日本のオフィス環境に合わせて開発された国内メーカー製品も根強い人気があります。

特徴:サクサ(SAXA)は、操作画面やレポートが完全日本語対応しており、専門知識がない担当者でも直感的に扱いやすいのが特徴です。

ヤマハ(YAMAHA)はルーターとしての信頼性が高く、ネットワーク機器をヤマハで統一している企業に好まれます。

イスラエル発の「チェックポイント ソフトウェア(Check Point)」

参考:チェックポイント 公式サイトより

サイバーセキュリティ先進国であるイスラエルに本社を置くチェックポイント社は、ファイアウォールの基礎技術を発明した老舗メーカーです。

特徴:脅威検知率の高さに定評があり、未知のマルウェアに対する防御能力が非常に高いです。

金融機関や官公庁など、極めて高いセキュリティレベルが求められる組織で多く採用されていますが、近年はSMB(中小企業)向けのモデルも展開しており、強固な守りを求める企業におすすめです。

自社に合う機種選びはプロへ相談

「どのメーカーが良いか」も重要ですが、それ以上に重要なのがUTMの選定です。

「社員数20名だからこの機種」とカタログだけで選ぶと、動画などの大容量通信を行う業務が多い場合にスペック不足に陥ることがあります。

逆に、オーバースペックなUTMを選んでしまうとコストの無駄になってしまいます。

通信量や接続台数を踏まえ、最適な機種を選定するには、導入実績豊富なプロのアドバイスを受けるのが最短ルートです。

ここまで読んで「UTMの必要性」を感じていただけたなら、大切なのは「自社に最適な一台」を見つけることです。機種選びで迷われたら、ぜひ私たちと一緒に正解を見つけていきましょう。UTM導入のご相談は、株式会社ITDへお気軽にお問い合わせください。



セキュリティ対策用UTMの価格一覧

UTMの導入を検討しようとすると、困るのがUTMの価格です。

UTMは「オープン価格」であることが多く、販売店やサポート内容によって大きく異なります。

ここでは、導入の目安となる「リース契約(5年〜7年)」の場合の月額相場と、一括購入時の相場感を規模別にご紹介します。

※価格は本体代金、ライセンス料、保守サポート費を含んだ一般的な目安です。

SOHO・極小規模拠点(〜10人程度)

自宅兼事務所や、少人数のスタートアップ企業向けのコンパクトモデルです。

一括購入:50万円 〜 100万円

月額リース:7,000円 〜 15,000円

主な機種:FortiGate 40F、サクサ SS7000Std など 必要最低限の機能に絞りつつ、コストを抑えて導入できるレンジです。

小規模拠点(10〜30人程度)

一般的な中小企業のオフィスに最適なスタンダードモデルです。

一括購入:100万円 〜 150万円

月額リース:15,000円 〜 20,000円

主な機種:FortiGate 60F/80F、サクサ SS7000Pro など 通信速度とセキュリティ機能のバランスが良く、最もボリュームゾーンとなる価格帯です。Wi-Fi機能が内蔵されているモデルも人気です。

中規模拠点(30〜60人程度)

複数の部署があるオフィスや、クラウドサービスを多用する企業向けのミドルレンジモデルです。

一括購入:150万円 〜 250万円

月額リース:20,000円 〜 40,000円

主な機種:FortiGate 100F、Check Point 1500シリーズ など 多数のPCが同時接続しても遅延しない処理能力(スループット)が求められます。

大規模拠点(60人以上)

本社機能を持つオフィスや、支店間VPNのセンター拠点となるハイスペックモデルです。

一括購入:300万円 〜

月額リース:50,000円 〜

主な機種:FortiGate 200F以上、Palo Alto Networks など 冗長化(2台構成)などの可用性対策も検討される規模になります。

「一括購入」と「リース契約」どっちがお得?

中小企業において圧倒的にお得「リース契約」の導入です。

初期費用0円:数十万円のキャッシュアウトを防げます。

経費処理:月額料金を全額経費として計上できるため、節税効果があります。

分割払い:月額の支払い額を抑えるプランがあります。

資金繰りを優先するならリース、総支払額を少しでも減らしたいなら一括購入が良いでしょう。


まとめ

本記事では、「セキュリティ対策にUTMは必要ない?」という疑問に対し、中小企業こそ導入すべき理由とそのメリット・デメリットを解説しました。

UTMは、ウイルスソフトだけでは防げない高度なサイバー攻撃から、会社の資産と信用を守るための「必須ツール」です。

導入コストや通信速度への懸念はあるものの、適切な選定を行えば、デメリットは最小限に抑えられます。

  • UTMはオフィスの「デジタルな鍵」。
  • UTMは自社の規模とITスキルに合ったメーカーを選ぶ。
  • 初期費用を抑えるなら「リース契約」がおすすめ。

とはいえ、「自社にはどのUTMが合うのか分からない」「今の見積もりが適正価格か知りたい」という方もいらっしゃると思います。

そういった方は、ぜひ一度株式会社ITDにご相談ください。

セキュリティの穴を塞ぐことは、会社の未来を守ることになります。

UTMの選定や価格に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。「今のネット環境のまま導入できる?」「リース料金の最安値は?」など、専門スタッフが丁寧に回答いたします。今すぐ下のボタンから問い合わせフォームへ移動して、安心・安全なオフィス環境を手に入れましょう!

目次