「サイバー保険はいらない」は本当か?中小企業向けの理由と取るべき対策を解説

「サイバー保険なんていらない」「高額な保険料を払うくらいなら、他のセキュリティ対策にお金をかけたい」と考えていませんか?
サイバー攻撃が巧妙化・増加する現代において、多くの中小企業がサイバー保険の必要性を感じつつも、その費用対効果に疑問を抱いているのが現状です。
この記事では、「サイバー保険はいらない」と言われる理由から、そのメリット・デメリット、そしてサイバー攻撃から企業を守るための具体的な対策までを、分かりやすく解説します。
- サイバー保険の加入を検討しているが、本当に必要かどうか迷っている人
- サイバー保険にデメリットはあるのか知りたい人
- 会社のセキュリティ対策を見直したい法人担当者
なぜサイバー保険がいらないと言われるの?
日本損害保険協会の「中小企業におけるリスク意識・対策実態調査2024 調査結果報告書」によると、企業のサイバー保険加入率は、わずか10.0%にとどまっています。
全企業の一割しか加入していないというのはとても少ない数字です。
出典:日本損害保険協会の「中小企業におけるリスク意識・対策実態調査2024 調査結果報告書」
「サイバー保険がいらない」と言われる背景には、主に3つの理由があります。
①金銭的負担が大きいから

サイバー保険の価格は、企業の規模、事業内容、取り扱うデータの種類(個人情報、機密情報など)、そして既存のセキュリティ対策の状況によって大きく異なります。
特に、中小企業にとっては保険料が高額に感じられ、サイバー保険を比較検討した結果、加入を見送るケースも多いです。
- 中小企業の経済的負担:大企業に比べて予算に限りがある中小企業にとって、サイバー保険は「贅沢品」のように感じられることがあります。月々数万円から数十万円にもなる保険料は、経営を圧迫する要因にも。
- 保険料の算定基準:保険会社は、加入企業の事業リスクを詳細に分析して保険料を算定します。そのため、ITシステムが複雑であったり、機密性の高い情報を多く扱っていたりする企業は、保険料が高くなる傾向に。
②被害は未然に防げないから
サイバー攻撃自体を未然に防ぐことは非常に難しいことです。
サイバー保険は、あくまでサイバー攻撃による被害が発生した後に、その損害を補償するものです。
この点が、多くの企業が保険の有効性に疑問を抱く最大の理由です。
企業が最も求めているのは、被害に遭わないための「予防」です。
高額な保険料を支払うよりも、そのお金を予防策に投資した方が、結果的に被害をゼロにできる可能性が高まると考える企業も少なくないのです。
③UTMやWi-Fiなどのセキュリティ対策機器の方が効果的だから

サイバー攻撃を防ぐためには、UTM(統合脅威管理)や高機能なWi-Fiといったセキュリティ対策機器の導入が効果的です。
サイバー保険は「もしも」に備えるものですが、これらの機器は「予防」に直結します。
UTM(統合脅威管理)
UTMは、ファイアウォール、アンチウイルス、不正侵入検知、Webフィルタリングなど、複数のセキュリティ機能を一つに統合した機器です。
これにより、外部からの様々な脅威からネットワーク全体を包括的に保護できます。
高機能なWi-Fi
安全性の低いWi-Fiは、サイバー攻撃の侵入経路となり得ます。
このため、「保険よりも、予防策にお金をかけるべきだ」という判断から、サイバー保険ではなく、高機能なWi-Fiの購入を検討しましょう。
サイバー保険の必要性について
サイバー保険は、あくまでサイバー攻撃による被害が発生した後の「転ばぬ先の杖」です。
企業が最も望むのは、そもそも被害に遭わないことです。
保険に頼る前に、まず被害をゼロに近づけるための予防策を万全にする必要があります。
サイバー保険では被害を止められない
サイバー保険は、企業の規模や取り扱う情報量に応じて高額な保険料が発生し、大きなランニングコストとなります。
また、火災保険が火事を止められないのと同様に、サイバー保険は攻撃自体を食い止める力はありません。
攻撃を受けてしまえば、業務停止や信用失墜は避けられないので、セキュリティを未然に防ぐ、UTMや高機能Wi-Fiなどのセキュリティ対策機器を導入する方がおすすめです。
補償範囲が限定的で「意味がない」
サイバー保険には、補償される範囲に明確な限界があります。
保険金の支払いが遅れる可能性:原因究明や損害額の算定に時間がかかり、保険金の支払いが遅れることで、その間の資金繰りに悪影響が出るリスクもあります。
限定的な補償範囲:従業員の過失による情報漏洩や、システムダウンによる機会損失などは、補償対象外となるケースが多く、契約時に詳細な確認が必要です。
特に中小企業では、顧客情報や機密情報が漏洩した場合、多大な金銭的損失を被るだけでなく、回復が極めて難しいような社会的信用を失ってしまうので注意が必要です。
サイバー攻撃による被害事例とその影響
実際にサイバー攻撃が企業にどのような影響を与えるか、その具体的な被害を確認しましょう。
これらの事例は、サイバー攻撃が単なるITの問題ではなく、企業の経営に直結する重大なリスクとなります。
ランサムウェア感染による業務停止
警察庁の「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」の事例からは、ランサムウェア感染が企業の業務に致命的な影響を与え、ネットワークやシステムを停止させた状況が報告されています。
業務停止に至った具体的な事象
ネットワーク不通と機器の暗号化:届出事例(項番10など)では、企業が利用する監視システムにおいて、監視対象機器との通信が切断され、ネットワークが不通となる事態が発生しました。調査の結果、仮想環境上のPCを含む数十台の機器が暗号化されていることが判明しています。
ファイルサーバーのアクセス不能化:他の事例(項番9など)では、ランサムウェア「LockBit」の被害として、ファイルサーバー上のファイルが開けなくなるといった事象が確認されており、日常業務の継続が困難になりました。
プリンタからの大量出力:ランサムウェアの影響で、プリンタから印刷物が大量に出力されるという異常な事態も報告されており、システム全体が制御不能に陥ったことが分かります。
これらの事例から、ランサムウェアはネットワーク全体を巻き込み、企業の基幹システムや業務インフラを機能不全に陥らせ、結果的に業務の完全停止を引き起こすリスクが分かります。
情報漏洩による賠償責任と社会的信用の失墜
個人情報保護法の改正(2022年4月施行)により、所定の情報漏えい等(発生したおそれを含む)が発生した場合に、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務化されました。
通知しなければ、ペナルティとして最大1億円の罰金が課される可能性があります。
参考:令和2年 改正個人情報保護法について(個人情報保護委員会)
「自分の会社には関係ない」と思われがちですが、情報漏洩は中小企業にこそ起こりやすいインシデントなのです。
UTMやWi-Fiでセキュリティ対策が必要な企業
情報量が多く、機密性の高い情報を扱っている業種の場合は、ハード面からのセキュリティ対策を講じることをおすすめします。
結果的に、事故の発生確率と損害の大きさに関わりますので注意が必要です。
- 規模の大きい取引先がおり、取引先から大事なデータを預かっている
- 個人情報を取り扱っている
- 企業の機密情報を取り扱う
- 市場での認知度があり、レピュテーションリスクが尾を引きそう
- 内部留保が潤沢ではなく、賠償ができない
まとめ

「サイバー保険はいらない」という考えは、サイバー攻撃が当たり前になった現代においては危険な考え方かもしれません。
サイバー保険は、万が一の事態に備えるための「転ばぬ先の杖」です。
とはいえ、「本当に自社に必要なの?」「サイバー保険への加入せずに今のUTMやWi-Fiで十分対策できているか知りたい」という場合には、ぜひ株式会社ITDにご相談ください。
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