営業職でボーナスなしは普通?データで見る平均・仕組みと、転職すべきかの判断基準とは?

「営業なのにボーナスがほとんどない…」
「周りの友だちはボーナス100万円って聞くのに、自分はゼロ…これっておかしい?」
営業として働いていると、どうしても気になるのがボーナスです。
支給額はもちろん、「そもそもボーナスがない会社って普通なの?」という不安もありますよね。
この記事では、厚生労働省のデータや、営業会社であるITDの現場感をもとに、
- 営業職のボーナスは どう決まっているのか
- ボーナスなしは本当にヤバいのか?
- 今の会社で 粘るべきか/転職すべきかの判断軸
までを、順番に整理していきます。転職を少しでも考える方はぜひ参考にしてみてください!
- 営業職のボーナスは、どう決まっているのか気になる方
- 営業職でボーナスがなく困っている方
- 営業職のボーナスが欲しく転職を考えている方
営業職のボーナスはどう決まる?厚労省データから見る「仕組み」
まず押さえたいのは、「ボーナスの決まり方は会社によってかなり違う」ということです。
厚生労働省のデータ(平成17年賃金引上げ等の実態に関する調査結果の概況・付表12 産業、賞与支給額の決定方式別企業割合)では、賞与の支給額の決定方法を、
- 業績連動で決めた
- 労使交渉で決めた
- その他
の3つに分け、産業別に集計しています。

全産業で見る場合
全産業の合計を見ると、賞与額の決め方はおよそ
- 業績連動で決めた:約4割(41.4%)
- 労使交渉で決めた:約3割(32.4%)
- その他:約3割弱(26.2%)
となっています。
つまり、「ボーナスは会社の業績や数字に連動して決まる」という企業が、日本全体で見ても約4割ある、ということです。
営業が多い業界ほど「業績連動」が強い
営業職が多い業界に絞って見ると、この傾向はさらにハッキリします。
例えば、同じく厚労省データでは、
- 卸売・小売業:業績連動 52.7%
- サービス業(他に分類されないもの):業績連動 49.9%
- 飲食店・宿泊業:業績連動 45.7%
と、半分近くの企業が「業績連動」でボーナス額を決めていることがわかります。営業職が多い卸売・小売、サービス業では、数字(売上・利益)とボーナスが強く結びついているのが実態です。
営業のボーナスは「①会社の業績 × ②個人の成果」の掛け算と言える
ここから言えるのは、
多くの会社では、「会社としての業績」と「個人としての営業成績」の両方を見てボーナスが決まる
ということです。
- 会社の業績が良くても、個人の売上が未達なら減額・ゼロの可能性
- 逆に個人が好成績でも、会社全体の業績が悪いと支給額が抑えられる
この「掛け算構造」を理解しておくと、「ボーナスが少ない/出ない」理由を冷静に分析しやすくなります。
営業職でボーナスが出ない会社にありがちな3つのパターン
次に、「そもそもボーナスが出ない/極端に少ない」会社にありがちなパターンを整理します。
パターン①:制度としてボーナスが存在しない
- 「賞与なし」「年俸制(ボーナス相当額を月給に含む)」と求人に書いてあるケース
- 中小ベンチャーやスタートアップでよく見られる
この場合、年収トータルで納得できているかがポイントです。年収が同業他社と比べて十分高い場合には、ボーナスがなくても「仕組みの違い」と割り切れるケースもあります。
パターン②:業績悪化で支給できない
- 以前はボーナスがあったが、ここ数年で急に減額・カットされた
- 経営会議や社内報で「業績不振」「赤字」などが頻繁に出てくる
厚労省のデータでも、「業績連動で決める会社」が4割以上あるため、 業績が悪化すれば 真っ先にボーナスが削られやすい のは自然な流れです。
この場合は、一時的な業績悪化なのか、事業モデル自体が厳しく、中長期で回復しづらいのかを見極める必要があります。
当然、できるだけ業績の良い会社を選ぶことをおすすめします。
パターン③:成果主義が強く、未達だとボーナスがほぼゼロ
- インセンティブ重視
- 「目標達成で〇ヶ月分」という設計
- 未達の場合は寸志レベル、もしくはゼロ
営業会社では特に多いパターンです。この場合は、「会社がおかしい」のか 「数字を出せていないだけなのか」を冷静に切り分けることが重要です。
しかし、このケースはボーナスがなくとも、成果主義である分自分次第で年収をコントロールしやすいと言えます。
ボーナスが出ない営業会社で働くデメリットはある?
「ボーナスなし」にも一応メリットはありますが、デメリットもはっきりしています。
デメリット1:将来への不安が大きい
ボーナスが出ない理由が「業績不振」であれば、
- 会社の将来性が不透明
- 給与・待遇が今後も改善しにくい
という懸念が残ります。特に、厚労省のデータで「業績連動」が4割以上を占める中、
何年もボーナスが出ない状態が続くのは、経営状態に黄色信号が灯っているサインとも言えます。
デメリット2:貯金・ライフプランが立てづらい
- 引っ越しや結婚資金
- 車の購入
- 資格取得・自己投資
など、ある程度まとまった支出は「ボーナスで…」と考える人も多いもの。
ボーナスがないと、月給からコツコツ貯めるしかないため、計画的な貯蓄が必要になります。
デメリット3:モチベーションの維持が難しい
営業は数字に追われる仕事です。その負荷に対するリターンとしてボーナスがあると、「あの案件を頑張ってクロージングしたから、今年はこれだけ増えた」という 成果実感と自己効力感 を得やすくなります。
逆に、どれだけ頑張っても年収があまり変わらない場合、 モチベーションの維持が難しくなり、離職につながることも少なくありません。
それでも「ボーナスなし」でもOKな営業会社の条件
とはいえ、「ボーナスがない=必ずしも悪い会社」とは限りません。次のような条件がそろっている場合は、ボーナスがなくてもトータルではむしろ良い環境の可能性もあります。
条件1:基本給やインセンティブを含めた年収が高い
- 同業他社より 年収ベースで明らかに高い
- ボーナスはないが、月給・インセンティブで十分カバーできている
こうした場合は、「ボーナスの有無」よりも 年収トータルでの比較 が大切です。
条件2:成長フェーズのベンチャーで、ストックオプションなどのアップサイドがある
- 上場やM&Aを目指している
- ストックオプション(SO)など、将来的なリターンが見込める
この場合、短期的なボーナスよりも、中長期のリターン(株・SO・ポジション)が大きい 可能性があります。
条件3:営業スキルを爆速で伸ばせる環境
- 教育・フィードバックが充実している
- ロープレや同行など、営業スキルが磨かれる
- 将来の転職市場で「どこでも通用する営業人材」になれる
営業として市場価値を上げられるなら、数年後には「ボーナスあり・高年収の会社」にいつでも移れるようになります。
「ボーナスなし」で悩んだときのチェックリスト
ここまでを踏まえて、今の会社で働き続けるか、転職を考えるかを整理するためのチェックリストです。
□1|ボーナスが出ない理由は説明されている?
- 経営陣・上司から、きちんとした説明があるか
- 決算説明や社内資料で、数字が共有されているか
□2|年収トータルで同世代と比べてどう?
- 同じ業界・職種の20代/30代と比べて、大きく見劣りしていないか
- 基本給・インセンティブ・福利厚生を含めて比較できているか
□3|3年後の自分の年収イメージは描ける?
- どのポジションに上がれば、どれくらい年収が上がるのか
- そのための評価基準やKPIが見えているか
□4|営業スキルは伸びている?
- 提案力・クロージング力・案件管理など、手応えはあるか
- 「ここで3年やればどこでも戦える」と思えるか
3つ以上「NO」が付く場合は、ボーナスの有無とは別に、キャリアとして転職を検討するタイミングかもしれません。
転職以外でボーナス・年収を増やす3つの戦略
「いきなり転職までは考えていない」という方は、 今の会社にいながら年収アップを狙う方法もあります。
① 粗利の高い商材・案件を担当できるように動く
同じ売上でも、粗利の高い商材の方が会社にとっての利益は大きくなります。
厚労省データで「業績連動」の企業が多いことを踏まえると、粗利の高い商材で成果を出すと、会社の業績にもインパクトが出やすく、ボーナス査定にも効きやすいという構造があります。
② 評価者(上司)に「成果の見える化」をする
- 月次で数字と取り組みを共有する
- 成功事例・顧客の声をレポートにまとめる
- 「来期はここまで数字を伸ばします」と宣言する
など、自分の貢献を上司がきちんと把握できる状態にしておくことは、ボーナス・昇給に直結します。
③ 将来の転職を見据えて、実績を“ポータブル”にしておく
- 受注金額や件数だけでなく、営業プロセスを言語化しておく
- 提案資料・トークスクリプトなど、自分の再現性のある型を持っておく
これがあると、いざ転職活動をする際に 「即戦力」として評価されやすくなり、年収交渉もしやすくなります。
ボーナスよりも、実力でしっかり稼ぐなら?
営業職のボーナスは、厚労省のデータが示すように
- 会社の業績(業績連動)
- 労使交渉
- その他のルール
など、会社ごとの設計に大きく左右されます。だからこそ、「今年のボーナス額」だけで一喜一憂するのではなく、
どれだけ営業職として、しっかりと成果を上げやすく、年収とスキルを伸ばせるかを重視した職場選びがおすすめです。
そして、その会社で 市場価値の高い営業人材になれるか、という視点で、働き方や転職を考えることが大切です。
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