遠くまで届くWi-Fiルーターの選び方とオフィスの通信環境を改善する方法

「会議中にWi-Fiが途切れる」「部署によって電波が弱くて業務効率が下がる」といった悩みを抱えていませんか?
特に、広々としたオフィスや、階層が分かれている建物では、Wi-Fiルーターの電波が遠くまで届くことが重要です。
この記事では、遠くまで届くWi-Fiルーターの選び方から、オフィスの通信環境を根本的に改善するための具体策まで、詳しく解説します。
ぜひこの記事を参考に、最適なオフィス環境を構築してください。
- Wi-Fiルーターの電波が弱く、オフィスの通信環境に課題を感じている人
- Wi-Fiルーターを買い替える必要があるが、何を選べばよいかわからない人
- 従業員の生産性向上と、快適なオフィス環境構築を目指している法人担当者
遠くまで届くWi-Fiルーターを選ぶ前に知っておくべきこと
Wi-Fiルーターを選ぶ前に、まずはWi-Fiの電波特性とルーターの基本性能について理解しましょう。

Wi-Fiの電波が届きにくい原因
Wi-Fiの電波は、目に見えない空気中を伝わって情報が送られます。
電波干渉
電子レンジやBluetooth機器、コードレス電話など、同じ周波数帯(2.4GHz帯)を使用する機器が多数存在します。これらがWi-Fiの電波に干渉し、通信速度の低下や接続の不安定化を引き起こします。
ルーターの設置場所
ルーターを床に置いたり、壁際や隅に設置したりすると、電波が遮られやすくなります。電波は全方位に広がるため、オフィスの中央で、床から1~2メートル程度の高さに設置するのが理想的です。
ルーターの性能
ルーター自体の性能が低い場合、そもそもの電波の届く範囲が狭い場合があります。特に古いモデルは、最新の規格や技術に対応していないため、広範囲での利用には向きません。
これらの原因を理解した上で、自社のオフィス環境に何が当てはまるかを把握することが、適切な対策を立てるための第一歩となります。
Wi-Fiルーターの規格と通信速度
Wi-Fiルーターの性能を測る上で、まず確認すべきは「通信規格」です。
新しい規格ほど通信速度が速く、電波の効率も向上します。現在主流となっている規格は以下の通りです。
規格名 | 周波数帯 | 最大通信速度(理論値) | 特徴 |
IEEE 802.11be(Wi-Fi 7) | 2.4GHz/5GHz/6GHz | 最大46Gbps | 最新規格。超高速、低遅延を実現。 |
IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6E) | 2.4GHz/5GHz/6GHz | 最大9.6Gbps | 6GHz帯を使用し、干渉が少ない。 |
IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6) | 2.4GHz/5GHz | 最大9.6Gbps | 同時接続に強い。高効率な通信が可能。 |
IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5) | 5GHz | 最大6.9Gbps | 安定した通信速度。 |
IEEE 802.11n(Wi-Fi 4) | 2.4GHz/5GHz | 最大600Mbps | 比較的古い規格。 |
オフィスのWi-Fiルーターを選ぶ際は、最新のWi-Fi 6EやWi-Fi 7に対応しているモデルを選ぶことをおすすめします。
これらの規格は、より多くのデバイスを同時に接続しても安定した通信が可能で、オンライン会議や大容量データの送受信が頻繁に行われるオフィスに最適です。
Wi-Fiルーターの性能を示すアンテナ数
ルーターの性能は、アンテナの数によっても大きく左右されます。
アンテナ数は、電波を送受信する能力を示すもので、「4×4」や「8×8」といった形で表記されます。
この数字は、それぞれ送信用と受信用アンテナの数を意味しており、数字が大きいほど、より多くの電波を同時に送受信できるため、通信速度が速く、広範囲に安定した電波を届けやすくなります。
広範囲をカバーするWi-Fiルーターの選び方
広範囲なオフィスでも快適な通信環境を実現するためには、以下のポイントに注目してWi-Fiルーターを選びましょう。

多層階や広範囲のオフィスをカバーするメッシュWi-Fiを選ぶ
一般的なWi-Fiルーターは、単一のアクセスポイントから電波を飛ばします。
そのため、広いオフィスや複雑な構造の建物では、電波が届きにくい「デッドスポット」が発生しがちです。
そこで活躍するのがメッシュWi-Fiです。
メッシュWi-Fiは、親機となるルーターと、複数の子機(サテライト)を連携させて、広範囲に電波を張り巡らせるシステムです。
- 安定した通信:複数のアクセスポイントが網の目のように電波を張り巡らせるため、ユーザーは常に最も近いアクセスポイントに自動で接続できます。場所によって電波強度が変動することなく、どこでも安定した通信が可能になる
- 簡単な設定:初期設定が簡単で、誰でも手軽に導入できる
- 高い拡張性:オフィスの拡大に合わせて、子機を追加することで、簡単にWi-Fiのカバー範囲を広げられる
特に、フロアが分かれている二階建て以上のオフィスや、壁が多くて電波が届きにくい戸建てタイプのオフィスには、メッシュWi-Fiの導入がおすすめです。
Wi-Fi 6E/Wi-Fi 7対応の高性能ルーターを選ぶ
前述したように、最新規格のWi-Fiルーターは、通信速度だけでなく、多くのデバイスが同時に接続される環境での安定性も向上しています。
多くの従業員が同時にスマートフォンやノートPCを利用するオフィスでは、最新規格の高性能ルーターを導入することで、快適な通信環境を維持し、業務効率の低下を防ぐことができます。
Wi-Fiルーターのメーカーで選ぶ
Wi-Fiルーターは、Ciscoやバッファロー、NECやTP-Link、ASUS JAPANなど、様々なメーカーが販売しています。
各メーカーには得意分野や特徴があります。
- Cisco:大企業・ビジネスので世界的シェアを誇ります。非常に高い信頼性と高いセキュリティシステム、複雑なネットワーク管理の豊富な機能が特徴です。個人・一般家庭向けよりも、企業・専門家向けの色が濃いメーカーです。
- バッファロー:国内メーカーとして、手厚いサポートと分かりやすい設定画面が特徴です。初心者でも安心して導入できます。
- NEC:安定性と信頼性の高いモデルが多く、オフィス用途にも適しています。
- TP-Link:コストパフォーマンスに優れ、最新規格に対応したモデルを安価に提供しています。
- ASUS:高性能でゲーミングルーターとしての評価が高いですが、ビジネス用途でも高い安定性と速度を発揮します。
信頼できるメーカーの製品を選ぶことで、安心して運用できるだけでなく、万が一トラブルが発生した際のサポートも期待できます。
オフィスのWi-Fi環境を改善する具体策
Wi-Fiルーターの買い替え以外にも、オフィスの通信環境を改善する方法があります。
これらの対策を組み合わせることで、さらに最強のWi-Fi環境を構築していきましょう。

中継機やアクセスポイントを活用する
既存のWi-Fiルーターの電波が届きにくいエリアがある場合、新しくルーターを買い替えるのではなく、中継機やアクセスポイントを設置することも有効な手段です。
Wi-Fi中継機
親機から受け取った電波を増幅し、電波の届く範囲を広げます。設置はコンセントに差し込むだけで手軽ですが、通信速度は親機の性能に依存します。
アクセスポイント
ルーターのLANポートに接続し、有線ネットワークを無線化します。中継機よりも安定した通信が可能で、社内ネットワークの拡張に用いられます。
電波の死角を解消したい、特定のエリアだけ通信を強化したいといった場合に、これらの機器を活用することで、コストを抑えた対策が可能となります。
ルーターの設置場所を工夫する
Wi-Fiルーターの性能を最大限に引き出すためには、設置場所が非常に重要です。
- オフィスの中心に設置
- 床から高い位置に設置
- 障害物の少ない場所に設置
上記内容を踏まえた上で、適切なWi-Fiルーターの設置を行っていきましょう。
Wi-Fiルーターの寿命と買い替えのタイミングを調節する
一般的に、Wi-Fiルーターの寿命は4〜5年とされています。
ルーターの劣化は、通信速度の低下や接続不良を引き起こす原因となります。以下のような兆候が見られたら、Wi-Fiルーターの買い替えのタイミングが来ているかもしれません。
- 通信速度が以前より遅くなった
- 頻繁に接続が切れる
- 最新のセキュリティ規格に対応していない
- ファームウェアのアップデートが終了した
定期的にルーターの状態を確認し、最適な買い替えのタイミングを把握することで、安定した通信環境を維持できます。
Wi-Fiルーターを導入する際の注意点
導入後のトラブルを防ぎ、スムーズな運用を行う場合には、以下の点に注意していきましょう。

接続台数と安定性を考慮する
オフィスのWi-Fiルーターには、多数の従業員が様々なデバイスを(ノートPC、スマートフォン、タブレットなど)接続しています。
一般的な家庭用ルーターでは、この接続台数に耐えきれず、通信速度が低下したり、接続が不安定になったりする可能性があるのです。
一方で、法人向けのルーターは、多数の同時接続に特化しており、安定した通信が可能です。
特に、MU-MIMO(Multi-User Multiple-Input Multiple-Output)という技術に対応したモデルは、複数のデバイスと同時に通信できるため、ぜひ導入の際には、チェックしてみてください。
セキュリティ機能を確認する
Wi-Fiは、情報漏洩や不正アクセスのリスクを伴うため、セキュリティ機能の確認は必須です。
専門業者への相談をする
オフィスの規模や構造に合わせた最適なWi-Fi環境を構築するには、専門的な知識が必要です。
自社での判断が難しい場合は、専門業者に相談することで、最適なソリューションを提案してもらえます。
- 専門的な調査:オフィスのレイアウトや建物の構造を考慮した上で、最適な機器の選定や設置場所を提案してもらえます。
- スムーズな導入:導入作業から設定、運用までを一貫してサポートしてもらえます。
- トラブル対応:導入後のトラブルにも迅速に対応してもらえます。
専門業者に依頼することで、様々なメリットがあるので、気になる方はぜひ専門業者への相談を行ってみましょう。
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遠くまで届くWi-Fiルーターを選ぶことは、オフィスの通信環境を改善し、業務効率を向上させる第一歩です。
メッシュWi-Fiや最新規格のルーターを検討するだけでなく、中継機の活用やルーターの設置場所の工夫といった対策も有効です。
この記事で紹介した内容を参考に、最適なWi-Fiルーターを選び、ストレスなく働けるオフィス環境を構築してみてください。
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